更新日:2026年6月22日
公開日:2026年6月22日
展示会動画の制作ポイント|3秒で来場者の足を止める仕掛け
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「今度、展示会に出展することになり、ブースで流す動画の担当を任されてしまった」
「せっかく費用をかけて動画を作るなら、通路を歩く人の足を止められるようなものにしたいけれど、何から手を付ければいいかわからない…」
多くの企業が一堂に会し、自社の商品やサービスを大勢の来場者に直接アピールできる「展示会」。新規顧客の獲得や認知拡大のための絶好のチャンスですが、いざそのブースで流す「展示会動画」の制作準備を任されると、どのような構成にすればいいのか “デザイン迷子” になってしまう担当者さまは非常に多いです。
良い展示会動画を制作するためには、会場という特殊な環境を理解し、通りすがりの来場者が「おっ、これは自分に関係のある内容だ」と一瞬で感じるような、視覚的な見せ方と構成のルールを知ることが大切です。
この記事では、周囲の騒音に負けない視覚的インパクトの設計から、足を止めるキャッチコピーのルール、動画を起点に名刺交換や商談へと繋げるブース全体の導線設計、そして制作会社へ依頼する際の流れや費用、期間の目安まで、当センターの出展事例も交えながら丁寧に解説します。
1. 騒音と人混みの中で勝つ。視覚的なインパクトの設計

展示会の会場に一歩足を踏み入れると、そこはたくさんの看板や照明、そして多くの人の話し声が飛び交う「情報の海」です。オフィスや自宅でじっくり見るホームページの動画とは異なり、展示会動画は「きわめて過酷な環境で流される」ということを、まず大前提として知っておく必要があります。
1-1. 音声に頼らない「無音(サイレント)前提」のビジュアル設計
展示会会場では、隣のブースのマイク音声や、周囲のざわざわとした人混みの騒音にかき消され、動画のナレーションやBGMといった音は、来場者の耳に届きにくくなっています。どれだけ素晴らしい解説ナレーションを吹き込んでも、音を主軸にした構成にしてしまうと、残念ながらその魅力が十分に伝わらないという結果になるということも…
そのため、展示会動画の制作において最も重要なのは、「映像だけで内容が理解できる動画」にすることです。
ナレーションで語りたい重要なセリフや商品の特徴は、すべて画面上に大きめの文字としてはっきりと表示させましょう。映像単体でストーリーが完結するような、視覚的なインパクトを最優先にした画面設計が、会場の騒音のなかで埋もれないための第一歩になります。
1-2. 最初の「3秒」に全エネルギーを注ぐ理由
通路を歩く来場者は、あなたのブースの横を平均して1秒間に1メートル以上のスピードで通り過ぎていきます。つまり、動画に目を留めてもらえるチャンスは、わずか「3秒」ほどしかありません。そんな状況では、映画やテレビ番組のように、「じわじわとオープニングが始まって、中盤から徐々に盛り上がる」という構成にしてしまうと、メインの情報が出てくる前に来場者は通り過ぎてしまいます。
そこで、動画の冒頭3秒のなかに、
| ● 誰のための動画なのか(=ターゲット層の明示) ● この商品・サービスを導入するとどうなるのか(=もたらされる未来) |
という結論を、インパクトのある映像や大きなキーワードとともに、一瞬で伝えることが鉄則です。動画がパッと目に入ったときに「自分に関係がある!」と思わせることができれば、足早に歩いていた来場者の歩幅が緩み、立ち止まって動画の続きを見てくれるようになります。
1-3. 一般的な期間・費用の目安
初めて動画の外注をする場合、どれくらいのスケジュールや予算を見ておけばいいのか、全く見当がつかないというのも大きな不安要素ですよね。
例えば、2〜3分程度の動画制作を制作会社へ依頼する場合、一般的なスケジュールと、必要になる費用の目安は以下のようになります。
■ 一般的な制作期間の目安:約1.5ヶ月〜3ヶ月
動画制作は、大まかに以下のような流れで進めます。
| ① 企画・構成案の作成 | 約2週間〜4週間 |
| ② 素材準備・撮影 | 約1週間〜2週間※撮影を伴う実写動画の場合、撮影場所の数や、天候による再撮影(予備日)の有無によって、スケジュールが数日前後する場合があります。 |
| ③ 映像編集・テロップ入れ | 約2週間〜3週間 |
| ④ 確認・修正 | 約1週間〜2週間 |
展示会の開催日から逆算して、最低でも3〜3.5ヶ月前には動き出せると、社内での確認作業も含めてスケジュールにゆとりが生まれます。
■ 一般的な制作費用の目安:30万〜150万円以上
制作費用は「どのような動画を作るか」によって大きく変動します。既存の写真素材や社内データのみを組み合わせたスライドショーのような動画から、プロのカメラマンを呼んで社内や製品の撮影を行ったり、オリジナルのアニメーションやグラフィックを制作したりする動画など、自社の商品・サービスや伝えたいメッセージにあわせて、最適な動画を選びましょう。
| シンプルなスライドショーのような動画 | 30万〜50万円程度 |
| カメラマンの撮影込みの動画orアニメーションやイラストを入れた動画 | 50万〜100万円以上 |
▼動画制作の費用相場や見積書の内訳は、こちらの記事でもご紹介しています!
2. 足を止めてもらうためのキャッチコピーと映像ループの工夫

冒頭の3秒で視線を引きつけたあと、さらに数秒〜数十秒にわたって来場者をその場に引き留めておくためには、画面に表示させる言葉選びと、映像全体のテンポ感に工夫が必要です。
2-1. 文字のルール:短く、大きく、本音の言葉で
パソコンの画面で読むホームページの文字とは違い、展示会のモニターに映し出す文字は「歩きながらでも、ストレスなく読めること」が絶対条件です。
■ 画面に表示する文字数は最小限にする
自社の強みや製品のスペックをたくさん伝えたくて、画面を長文のテロップで埋め尽くすのは逆効果です。歩きながらでも一瞬で読めるよう、1画面に表示する文字は「1行、最大でも20文字程度」に削ぎ落とし、フォントは線の太さが均一で視認性の高いもの(ゴシック体など)を選ぶのがおすすめです。
■ 「本音の言葉」でハッとさせる
例えば、「最先端の機能性を備えた業務効率化システム」というキャッチコピーは、企業側の視点に偏っていて、歩いている人の心には、なかなか引っかかりません。これを、ターゲットが日々の業務のなかでつぶやいているようなリアルな悩みに変えてみることです。
| 「毎月、この請求書の処理だけで3日潰れていませんか?」 「その手書きの管理、そろそろ限界かもしれません。」 |
このように、デスクの前で感じているリアルな本音をパッと表示させることで、通路を歩く来場者の心にフックとなり、「そうそう、これで困っているんだよな」と足を止める強力なきっかけになります。
2-2. 飽きさせない「映像ループ」の最適な時間とテンポ
展示会動画は、最初から最後まで何度も繰り返し流す「ループ再生」が基本です。このループ再生を前提とした構成において、初心者の担当者さまにぜひ知っておいていただきたいポイントが2つあります。
■ 動画全体の長さは「1〜2分」がベスト
来場者がブースの手前で立ち止まって動画を見てくれる平均的な時間は、長くても「1分から2分程度」です。これ以上長い動画を作ってしまうと、最後まで見てもらえず、一番伝えたいはずのお問い合わせ先や会社名の案内にたどり着く前に離脱されてしまいます。そのため、情報をギュッと凝縮し、短時間で魅力がすべて伝わるコンパクトな尺(長さ)に内容を収めることが重要です。
■ どこから見始めても意味が通じる構成にする
ループ再生されている動画を、来場者が「冒頭の0秒時点」から見てくれるとは限りません。中盤の40秒時点から見始める人もいれば、終わりの1分30秒時点から見始める人もいます。 そのため、ストーリーが最初から最後まで完全に繋がっている構成にするのではなく、どこから見ても理解できる構成にするのが重要です。例えば、伝えたい情報がいくつもある場合には、「お悩み編」「解決策編」「導入効果編」というように、複数の短いブロックに分けて、どのタイミングから見始めても、数秒見れば「何についての動画なのか」が直感的に理解できるような構成上の配慮をしておくことが、機会損失を防ぐための大きなコツになります。
2-3. デザイン迷子センターの展示会動画事例
デザイン迷子センターを運営する私たち自身も、定期的に展示会への出展をしています。予算やスケジュールに限りがあるなかで、来場者さまの足を止めるために私たちが実際にどのような動画を制作し、工夫を凝らしたのか、実際の事例をご紹介します。
■ 1年目:PCモニターでの再生を考慮した横型動画
初めての出展では、展示ブース内に置いたパソコン(iMac)を使って動画を再生しました。当時は予算やスケジュールの兼ね合いもあり、専用の電子看板(サイネージ)を用意することが難しかったため、展示台の端のスペースにモニターを置くことで、少しでも通路を歩く人のアイキャッチになれば…という思いから動画を制作することにしました。また、来場者さまに「デザイン迷子センターで動画制作ができること」を直感的にアピールしたいという狙いもありました。
動画の長さは1分08秒。「デザイン迷子センターでは、どんなお悩みを解決できるのか」という重要なテーマだけに内容を絞り込み、短時間で伝わるようコンパクトにまとめています。さらに、通りすがりの方に「これは自分向けの情報だ」と自分ごととして捉えてもらえるよう、センターの名前にちなんで、ナレーションを「デパートの迷子呼び出し放送」のようなユニークな雰囲気に仕上げました。具体的には、「広報物のクオリティを上げたい、広報担当者様」と館内放送のように呼びかける仕掛けです。

この試みは大成功で、来場者の方からお声がけをいただく機会も多く、「この放送、“迷子”と掛けているんですね。おもしろい!」と笑顔で楽しんでくださるなど、本当に嬉しい反響ばかりでした。
■ 2年目:サイネージを導入して縦長動画に
1年目の展示会動画は大変好評でしたが、会期後に社内で振り返りを行ったところ、以下の2つの反省点が挙がりました。
| ● パソコンの内蔵出力と簡易的な追加スピーカーだけでは、 会場全体の賑やかな騒音にナレーションがかき消されてしまい、思ったよりも目立たなかった ● モニターの位置が展示台の上(低い位置)だったため、ブースの前に誰かが立ち止まると、 通路を歩く他の人の視線が遮られてしまい、アイキャッチとして機能しないタイミングがあった |
そこで2年目の出展では、満を持して大型の縦型サイネージと専用のスタンドを購入!ブースの構造に合わせて、通路の2方向からでもパッと目に留まる位置へ設置しました。
動画もサイネージの形に合わせて、1年目の「横型動画」から「縦型動画」へと刷新。公式キャラクターである「迷子くん」がより引き立つよう、冒頭に全身を大きく映し出すシーンを追加しましたが、動画全体の長さは1分20秒ほどのコンパクトな尺に収めています。
また、この時期に当センターのホームページを開設したため、動画から制作実績をすぐに見てもらえるよう、画面の下部にQRコードを常時配置する工夫をしました。これにより、横型から縦型への画面調整にかかる制作の作業工数を賢く削減しながら、自社のWebサイトもしっかりPRできる一石二鳥の構成にしています。
会場では「迷子くんがかわいい!」と足を止めてくださる方が増え、スマホでQRコードを読み取って実績を見てくれるなど、来場者さまの動きがスタッフからも一目で分かるため、お声がけがしやすくなるという良い流れが生まれました。
さらに音声面でも、ブース壁面の最上部に専用スピーカーを設置したことで、1年目よりも周囲の雑音に消されず、クリアに音声を届けることに成功。迷子案内のユニークな仕掛けに気づいて耳を傾けてくださる方が格段に多くなりました。

実は展示ブースの設計当初は、コの字型やU字型の1つの展示台をブースの真ん中に置くことを想定していました。しかし、予算や当日のスタッフの動き方を考慮し、最終的には直線の展示台を3つ組み合わせるレイアウトへと変更しました。この変更により、展示台と展示台の間にスペースが生まれたことで、通路に向けて最も目立つ位置にサイネージを配置することができました。その結果、1年目以上に、アイキャッチとして動画を機能させることができました。
▼ 展示会ブースの制作費用や当センターの出展事例は、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください!
3. 展示会動画を起点にした、名刺交換や商談への導線設計

どれだけ多くの来場者が動画の前に立ち止まってくれたとしても、ただ「良い動画だったな」と満足してその場を去られてしまっては意味がありません。動画の本当のゴールは、その場にいるスタッフへの「お声がけ」や、その後のビジネスを発展させるための「名刺交換・商談」へと、スムーズにバトンを繋ぐことです。
3-1. ブースの敷居をまたがせる「周辺スペースの導線設計」
動画は、ブースの入口付近や通路側に置かれることが多いと思いますが、動画に目を留めた来場者を通路に立たせたままにせず、自然とブースの内側へと引き入れるための物理的な仕掛けを整えましょう。例えば、モニターのすぐ横からブースの奥にかけて、詳しいパンフレットや体験できるデモ機を流れるように配置します。通路側から少し内側へと目線を誘導するレイアウトにすることで、来場者は資料を手に取ったり製品に触れたりしながら、無意識のうちにブースの敷居をまたぎ、ブース内へと一歩足を踏み入れてくれるようになります。
3-2. 画面から人へバトンを渡す「ラスト数秒の行動喚起」
物理的な動線を作ると同時に、動画の締めくくり(ラスト数秒)を使って、映像から現地のスタッフへ心理的なバトンを渡す仕掛けを施します。動画の最後を、Web広告などの動画のように会社名や商品ロゴを大きく映して終わるのではなく、「詳しくは、すぐ横のスタッフまでお気軽にお声がけください」「ブース内にて、実際の画面を使った無料デモ実施中!」というように、今その場で起こしてほしい具体的なアクションをテキストではっきりと表示するのです。
このように行くべき方向と言葉による後押しが組み合わさることで、来場者は中にいるスタッフへ声をかけやすくなります。動画からスタッフの案内というリアルな対応が噛み合うことで、展示会動画は単なるアイキャッチの枠を超え、自社のブースへ新しい出会いを次々と呼び込んでくれる、案内役へとなるのです。
+α:デザイン迷子センター流:離れた場所からでも「おっ!」と思わせる視認性のルール
パッと目を惹くような華やかな自社製品や、他社と大きく違う目新しいサービスを前面に押し出す形ではなく、「どんな小さな依頼にも実直に向き合う姿勢」や「お客さまの困りごとに徹底的に寄り添う姿勢」を大切にしている会社があったとします。
そのとき展示会動画の構成は、そうした目に見えない【仕事への向き合い方】を、他社には真似できない強力な『企業のキャラクター(個性)』として世の中にハッキリと打ち出す役割を果たします。落ち着いたトーンの美しい色遣いや、真面目に業務をこなす映像のテンポ、丁寧さを感じさせるテロップのフォント選びなどを徹底的に研ぎ澄ますことで、言葉で多くを語らずとも「ここなら確実な仕事をしてくれる」という信頼感を伝えられます。そして、その信頼感を一つの強みとして確立させることで、離れた場所からでも「おっ、ここは他と違うな」と思わせるような打ち出し方も可能になります。わずか数秒で訪問者の胸に「ここなら安心して任せられる」という記憶を残すことこそが、映像デザインの持つ最大の力です。
「自社の魅力をどうデザインに翻訳したらいいかわからない」というときこそ、どうか私たちを頼ってください。丁寧な対話のなかから、皆さんにとっては当たり前になっている日々の営みのなかから、訪問者が一番安心できる「自社ならではの持ち味」を客観的に見出し、訪れた人の心にスッと染み込む美しい映像へと仕立てます。
まとめ:納得の予算で、自社らしい動画作りを
展示会動画は、単に自社の実績や製品スペックを綺麗に並べたプロモーション用の映像ではなく、数多くの情報が激しく行き交う会場のなかで、自社の本当の強みを正しく伝え、まだ見ぬ素敵なお客さまとの新しい出会いを手繰り寄せるための大切なビジネスの基盤です。全体の一般的な相場感や期間を把握し、自社の強みに合わせた予算のメリハリさえ意識することができれば、限られた予算のなかでも最大の成果を発揮する強力なマーケティングの武器に仕上げることができます。
映像は制作して終わりではなく、実際の会場での反応を見ながら、後から「もっとこうしたい」を反映してアップデートしていける柔軟なメディアでもあります。だからこそ、皆さんが大切にしている「仕事への誠実さ」をどのような構成や言葉で動画全体に落とし込んでいくかという、前向きな対話にエネルギーを注いでみてください。
「他社から見積書をもらったけれど、この内容が自社にとって適正なのか分からない」
「派手な製品はないけれど、言葉にできない自社らしさを、しっかりと形にした動画を作りたい」
そんな次のステップへの迷いや制作の流れに関する不安に直面したときこそ、私たち「デザイン迷子センター」を頼ってください。まとまっていないアイデアのメモや、他社さまからの提案書をお持ちいただき、どう判断すればいいかというセカンドオピニオンのご相談からでも大歓迎です。あなたの会社が持つ本当の価値を、会場のなかの必要とする人へ真っ直ぐに届けるために。納得感のある動画作りへの第一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか。

デザイン迷子センターのご紹介
「デザインのことが全然わからない」「何から手を付ければいいか教えて欲しい」。そんな担当者さまに寄り添い、一歩踏み出すためのサポートをするのが「デザイン迷子センター」です。
私たちは、単に「作る」だけではなく、制作の背景にある「目的」や「ゴール」を大切にしています。
創業から約20年、全国700社以上のお客さまのお手伝いをしてきた豊富な実績と経験で、“迷子さん” の不安を「安心」に変える、一番の道しるべになります。
ご予算に応じたご提案や、優先順位の整理などについてもご相談に乗れますので、お気軽にご相談ください。

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